SARUROCK RECORS

思ったこと、思うままに…

転がった消しゴムのその先

消しゴムってさー、転がるよね。

しかも、一回二回なんてもんじゃなく隙あらば地平線の先まで転がって行くよね…

その消しゴムの行末がちょっと気になってるあの子の足元とかで、ドキドキしなら取りに行くの。そんで気づいたあの子が拾って手渡しして来たりなんかして、俺も「わりー」なんて言いながらぶっきらぼうにもらう。

そんな青春をこの地球上のどこかのカップルがやってると思いながら今、出勤中です。

 

 

そうです。時刻は7時30分を回ってます。

えと…俺の家から職場までは大体車で30分。かっ飛ばせば25分。今からなら滑り込みセーフな状況。

気分は9回一死三塁、右中間のなんとも言えない浅さのフライをセンターが取る瞬間の勝負のタッチアップ。

 

 

「あーこれはキャッチャーを回り込んでのスライディング勝負かぁ」なんて思いながらスタートを切った。すると走り出して30mくらいで無事に警察に囲まれてた。うん、詰んだ。

 

 

 

ねぇねぇ所轄って知ってる?このご時世、世界を守るのも楽じゃないっつーか。ヒーローも活動区域が決められてて色々大人の事情と正義感の狭間でヤキモキしてるんだけど…

なんで俺の車の前が群馬県警で後ろが埼玉県警なの?

連合でも組んじゃった?これオセロ形式に則って俺もパトカーってことでいい?

 

 

「何恥ずかしがってんだよー」

「お前のその車。全然白黒じゃなし、なんならオシャレな感じにくすんでっけど色じゃねーって!気持ちだって!!」

みたいな手厚い歓迎してくれますか?

赤灯はなくとも心にパトランプあれば許してくれますか?

私を仲間と呼んでくれますか?

 

ビビもびっくりの勢いで運転席から突き上げる右拳。アレはもう完全に海賊王に片足突っ込んでた。なんなら海軍(警察)に追われるのも辞さないっつーか。

 

 

でも現実は厳しい。右の拳を突き上げた瞬間、「前の車、危ないから手しまって!」アナウンスで注意されました。

ビビもびっくりするくらいの速度でカルー(愛車)と共に左折しました。会社は直進なんですけどね。

 

 

今日もどこかで消しゴムは転がり続け、愛だの恋だのが始まっては終わる。

どこぞのカップルは消しゴムから、俺は時間を転がして仕事が始まります。