SARUROCK RECORS

思ったこと、思うままに…

『ちょっと思い出しただけ』を邪道な楽しみ方をしてきただけ。

人間て、気持ちや景色を思い返す瞬間て“匂い”だと思う。俺もその一人で、特に思い入れのある音楽なんかを聞くと、初めてその音楽と出会った時のことを思い出す。Tempalayの『from JAPAN』が不意に流れた時なんてあの1月の、寒くて汚い渋谷の匂いを思い出すもん。あの言葉にできない感覚。なんなんだろうね本当に。

 

俺、恋愛映画とか死ぬほど興味ないし、むしろジャンルとしてはサスペンスとかSFとかホラー、アクションが好きなんだけど、この作品好きだわ〜。

少し前にも『花束みたいな恋をした』を観てキュンキュンしたんだけど、同じようでいてベクトルが若干違う気がする。花束では菅田将暉と我らが有村架純の運命的な出会いから、別れてしまうまでの過程を見ている感じ。ターゲット層としては大学生の時に経験した恋を彷彿させるような作品になっていた。しかも劇中で使われている楽曲や話題がいい感じでサブカル。刺さる人には刺さる。俺には刺さった。有村架純が出ているということを差し引いても面白かった。出てくる人物や作品、アーティストも実在するからこそリアル。きのこ帝国が活休した話題も作中に入れるのほんとツボ。

 

話が『花束みたいな恋をした』のレビューみたいなブログになってしまうので話を戻すが、今回書きたい作品の『ちょっと思い出しただけ』。俺にはクソほど刺さる作品だった。弱点を強いて言うなら尾崎さんの付け髭の偽物感が強かったことぐらい。

上でも挙げたけど、もともと恋愛映画が興味ない俺は、主題歌が『ナイトオンザプラネット』というだけで観てみただけなんだけどこれ監督松居大悟さんじゃん。

松居さんは映画もそうだけどMVの作品を多く撮られている。クリープハイプのMVも撮っている。特に俺が好きなのが『オレンジ』。優しくも危うい楽曲の世界観を映像として如実に落とし込めている作品だからだ。しかも俳優が池松壮亮。そして『ナイトオンザプラネット』で出てくる俳優が伊藤沙莉。この映画の主題歌はクリープだし、監督は松居さん。尾崎世界観も出演していてクリープのMVの延長のようなテンションで見ることができた。しかも劇中歌に『exダーリン』なんかも使われているし、恋愛映画が好きな大人も、馬鹿みたいにキュンキュンしたいJKもクリープハイプに狂ってる俺でさえも楽しめる映画になっていると思う。